重度知的障害の息子を育てながら、働く

日常のこと

障害のある子を育てながら、しかもシングルでどうやって働けばいいんだろう。そう悩んだことはありませんか。

わたしも長い間、試行錯誤を繰り返してきました。正社員で挫折して、パートに切り替えて、上司と合わない職場もあって。それでも仕事を続けながら、少しずつ今の形にたどり着きました。

完璧な答えはありませんが、同じように悩んでいる方の参考に少しでもなれたら嬉しいです。

育休明け、正社員として復帰したけれど

育休明けに職場へ復帰しましたが、ぽんたの体調不良による欠勤がどんどん増えていきました。当時はまだ実家にお世話になっていたものの、職場の方たちに協力していただいても、以前のように働くことができず、居づらさを感じるようになっていきました。今思えば職場側の気持ちもよくわかります。でも当時のわたしには、その余裕はありませんでした。

保育園のお迎えに行くと、ぽんたがいつも最後の一人でした。小さな体でぽつんと待っているのを見るたびに、胸が痛くなりました。「これは長く続けられない」そう思うまでに時間はかかりませんでした。

パートに切り替えて、気づいたこと

正社員で働くことを諦めてパートに切り替えると、少し楽になりました。でも正直なところ、複雑な気持ちもありました。シングルマザーで歯を食いしばって正社員で働いている人もいる中で、わたしにはそれができなかった。

当時の上司から、実家に頼っているぶん考えが甘いと言われたことがありました。正論だとわかっていたからこそ、言い返せなかったし、じわじわと堪えました。

産む前は、どんなことをしてでもこの子を守っていくと覚悟していました。でも実際に子育てをして働いてみると、稼ぐことも大切だけれど、それよりもぽんたのそばにいる時間を増やしたいと思う自分がいました。それが上司の言う「甘さ」につながっていたのかもしれません。でもわたしは、自分の気持ちを大切にしたかったのです。

転職も何度か経験しました。ある職場では上司との相性が合わず、ぽんたの体調不良で休むたびに肩身の狭い思いをしていました。思い切って転職してからは、急な欠勤にも対応してくれる環境に救われました。

転職して気づいた、職場選びの話

わたしは転職を何度か経験して、ひとつ学んだことがあります。

子育て中は給料で職場を選ぶのは、やめた方がいい。

以前いた職場は、短時間でも多く稼げるという点で時間単価の条件がよかったです。でもそれがわたしには逆効果でした。高い給料をもらうということは、それだけ期待もされるということ。子育て中の急な欠勤が重なると、「これだけもらっているのに」という空気が、言葉にならなくても伝わってきます。働きたいのに働けない、そのギャップが一番しんどかったです。

今の職場は、お金より「雰囲気・通いやすさ・上司の人柄」で選びました。

面接のとき、「子どものことで急に休むことがあります」と最初に話しました。シングルのこともわりとそのまま伝えました。怖かったかというと、そうでもなく「合わなければ縁がなかった」と前回の経験から割り切っていました。

そして、面接時の上司の反応がよく、子育ての大変さをわかってくれる人だとすぐ感じました。それが決め手でした。

わたしは「なるべく長く働かないと雇ってもらえない」と思って、遅くまで働くつもりで話していました。でも向こうから「お子さんまだ小さいので遅くまで働かなくてもこちらは大丈夫ですよ」と言ってもらえて心からホッとしました。

でも、あのホッとした感覚が「ここでいい」という答えだったと、今は思っています。無理して合わせようとしなくていいと感じた場所が、たぶん合っている場所なんだと思います。

最後に

障害のある子を育てながら働くのは、想像以上に大変です。うまくいかないことも、心が折れそうになることも、何度もあります。

シングルやワンオペで、誰かに頼れない中で踏ん張っている人の心は、ギリギリのところで耐えているのかも知れません。そういう人に伝えたいのは、十分すぎるくらいあなたは頑張っているということです。子どものために頑張りすぎてしまわないように、完璧じゃなくても遠回りでも大丈夫だと思います。わたしもまだ途中ですが、今日もここまでやってきた自分を少しだけ褒めてあげたいです。

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歯科衛生士のシングルマザー「ハル」です。重度知的障害・自閉症の息子ぽんたを育てながら日々奮闘中。福祉制度や療育のこと、障害児育児のリアルをお届けします。

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