わたしがシングルマザーになった時、先の見えない漠然とした不安がありました。貯金もなく、子育ての経験ももちろんなく、「1人で子育てなんて無理だ」とも言われました。
それでも生活を立て直せたのは、使える制度を片っ端から申請したからでもあります。申請の仕組みを知っているかどうかで、生活のしんどさは変わります。
この記事では、わたしの経験を参考にシングルマザーが使える手当・制度を、申請する順番ごとにまとめました。
シングルマザーが使える手当・制度 比較表
まず全員が確認したい制度
| 制度名 | 対象になる人 | もらえるサポート | 申請窓口 |
|---|---|---|---|
| ①児童手当 | 高校生年代までの子どもを育てている人(所得制限なし) | 3歳未満 月15,000円/3歳〜高校生年代 月10,000円/第3子以降 月30,000円 | 市区町村の窓口 |
| ②児童扶養手当 | ひとり親家庭で子どもを育てている人 | 子どもの人数や所得に応じた手当(奇数月に年6回支給) | 市区町村の窓口(こども家庭課など) |
| ③ひとり親家庭等医療費助成 | ひとり親家庭の親と子ども | 医療機関を受診したときの自己負担額の助成 | 市区町村の窓口 |
| ④ひとり親控除 | 合計所得500万円以下のひとり親 | 所得税35万円・住民税30万円の控除 | 年末調整・確定申告 |
| ⑤国民年金・国保の免除・減免 | 収入が下がった人など | 国民年金保険料の免除(全額〜4分の1)など | 市区町村の窓口・年金事務所 |
| ⑥就学援助 | 小中学生の子どもがいる家庭 | 学用品費・給食費・修学旅行費などの補助 | 学校・教育委員会 |
| ⑦住まいの支援 | 自治体による | 家賃補助・公営住宅の優先入居など | 市区町村の窓口 |
| ⑧資格取得の給付金 | 資格取得を目指すひとり親 | 高等職業訓練促進給付金(月10万円)など | 市区町村のひとり親支援窓口 |
障害のある子を育てている場合に加わる制度
| 制度名 | 対象になる人 | もらえるサポート | 申請窓口 |
|---|---|---|---|
| ⑨療育手帳 | 知的障害があると判定された人 | 各種手当・割引・福祉サービスを利用するための入り口になる手帳 | 児童相談所・福祉事務所 |
| ⑩特別児童扶養手当 | 障害のある子どもを育てている人 | 障害の程度に応じた手当(年3回に分けて支給) | 市区町村の窓口 |
| ⑪障害福祉サービス(受給者証) | 障害のある子ども・大人 | 放課後等デイサービスなど福祉サービスを利用するための証明書 | 市区町村の窓口(障害福祉課など) |
※自治体によって窓口の名称や手続きの流れが異なります。詳しくはお住まいの市区町村にご確認ください。
各制度をくわしく解説
①児童手当
ひとり親かどうかに関係なく、高校生年代までの子どもを育てていれば受け取れる手当です。3歳未満は月15,000円、3歳から高校生年代までは月10,000円、第3子以降は月30,000円が支給されます。以前あった所得制限は撤廃されています。
偶数月に2か月分ずつ、年6回振り込まれます。出生や転入のときに申請が必要なので、手続きがまだの方は市区町村の窓口で確認してみてください。
②児童扶養手当
ひとり親家庭がまず申請したいのが「児童扶養手当」です。子どもの人数や所得に応じて手当が支給され、毎月〜年数回に分けて受け取れるため、生活の土台を支えてくれます。わたしもひとり親になった直後、まずこの手当のことを窓口で確認しました。くわしい申請条件や金額の目安は、こちらの記事にまとめています。

③ひとり親家庭等医療費助成
次に申請しておきたいのが「ひとり親家庭等医療費助成」です。医療機関を受診したときの自己負担額が助成されるため、子どもや自分の通院費の負担を大きく減らせます。子どもが体調を崩しやすい時期は通院も増えるので、この助成があるだけで家計への影響が変わってくるはずです。児童扶養手当の手続きと合わせて、お住まいの市区町村の窓口で確認してみてください。
この制度は子どもだけでなく、親自身の医療費も助成されるのが大きなポイントです。子ども医療費助成との違いや申請方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。

④ひとり親控除(税金の控除)
合計所得500万円以下のひとり親は、所得税で35万円、住民税で30万円の控除が受けられます。会社員なら年末調整の用紙にあるひとり親の欄にチェックを入れるだけ。忘れていた分は確定申告でさかのぼって手続きできます。
⑤国民年金・国民健康保険の免除・減免
収入が下がった時期は、国民年金保険料の免除申請ができます(全額〜4分の1まで段階あり)。免除された期間も年金の受給資格期間には入るので、未納のまま放置するより断然お得です。国民健康保険の減免制度がある自治体もあります。
⑥就学援助(小中学生)
小中学生の学用品費・給食費・修学旅行費などを補助してくれる制度です。窓口は学校または教育委員会。対象基準は自治体ごとに違いますが、ひとり親家庭は対象になりやすいので、入学時期に案内が来たら読み飛ばさず確認してみてください。
⑦住まいの支援
地域によっては、ひとり親家庭向けの家賃補助や、公営住宅の優先入居枠があります。住居費は家計で一番大きい固定費なので、引っ越しを考えるタイミングで一度、お住まいの自治体の窓口に聞いてみる価値があります。
⑧資格取得の給付金
ひとり親が看護師や歯科衛生士などの資格を目指して学ぶ場合、月10万円の給付を受けながら通学できる高等職業訓練促進給付金という制度があります。講座費用の一部が戻る自立支援教育訓練給付金もあります。
2つの給付金のくわしい内容と学ぶ内容の選び方は、こちらの記事にまとめています。

ここからは、障害のあるお子さんを育てている場合に加わる制度です。
⑨療育手帳
お子さんに知的障害がある場合は、「療育手帳」の取得を検討してみましょう。療育手帳は、さまざまな手当・割引・福祉サービスを利用するための「入り口」になる手帳だからです。わたしも療育手帳を取得したことで、特別児童扶養手当や障害福祉サービスなど、次のステップに進むことができました。申請の流れやスムーズに進めるコツは、こちらの記事「療育手帳を早く取る方法」も参考にしてみてください。

⑩特別児童扶養手当
次に検討しておきたいのが「特別児童扶養手当」です。療育手帳がなくても申請できますが、取得後に動くとスムーズです。これは、精神や身体に障害のある20歳未満の子どもを養育している場合に支給される手当で、児童扶養手当とは別に申請できます。療育手帳の交付を受けたあとにこの手当の存在を知る方も多く、手帳があると必要な情報がそろいやすくなります。対象となる障害の程度や金額の目安は、こちらの記事「特別児童扶養手当」に詳しくまとめています。

障害の程度が重い場合は、特別児童扶養手当に加えて障害児福祉手当も申請できます。両方受け取れる制度です。

⑪障害福祉サービス(受給者証の取得)
最後に進めておきたいのが、「障害福祉サービス」を利用するための受給者証の申請です。放課後等デイサービスやヘルパーなど、子どもの発達や毎日の生活を支えてくれるサービスを利用するには、この受給者証が必要になります。わたしも受給者証を取得してからは、利用できるサービスの幅がぐっと広がり、毎日の負担が大きく減りました。サービスの種類や申請の流れは、こちらの記事「知的障害の福祉サービス」で詳しく紹介しています。

おすすめの申請順
ここまで11の制度を紹介してきましたが、「結局どの順番で動けばいいの?」と迷う方もいると思います。わたしの経験もふまえて、申請の流れの目安をまとめました。
児童手当と児童扶養手当・ひとり親家庭等医療費助成は、同じ役所で同日にまとめて申請できます。ひとり親控除は年末調整・確定申告のタイミングで手続きします。以下は、窓口で順番に進める場合の目安です。
- 児童扶養手当
- ひとり親家庭等医療費助成
- 療育手帳
- 特別児童扶養手当
- 障害福祉サービス(受給者証の取得)
この順番をおすすめするのは、先に動いた申請が、あとの申請をスムーズにしてくれるからです。たとえば療育手帳を取得しておくと、特別児童扶養手当や障害福祉サービスの申請時に必要な情報がそろいやすくなります。先に手帳や書類がそろっていると、あとの申請が驚くほどスムーズになります。一度にすべて揃えようとせず、まずは①からひとつずつ進めてみてください。
まとめ
シングルマザーが使える手当・制度は、知っているかどうかで、これからの生活の安心感が大きく変わります。「うちは対象になるのかな?」と思った制度があれば、ぜひ早めに窓口で確認してみてください。
わたし自身、何も知らないまま一人で抱え込んでいた時期は、先の見えない不安でいっぱいでした。それでも一つずつ手続きを進めるたびに、「これで少し楽になる」という実感が積み重なり、気持ちに少しずつ余裕が生まれていきました。
制度は、自分から動かないと使えないものがほとんどです。まずはこの記事の比較表を見ながら、気になる制度から、お住まいの市区町村の窓口に問い合わせることから始めてみてください。今のあなたと、お子さんの毎日を支える力になってくれるはずです。
※児童手当などの制度内容は2026年7月時点の情報です。最新の情報はこども家庭庁「児童手当制度のご案内」でご確認ください。
元パートナーから養育費が払われずに困っている方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。

参考にした情報
この記事の内容は、次の公的な情報をもとにまとめています。
- こども家庭庁「ひとり親家庭等関係」
- こども家庭庁「ひとり親家庭のためのポータルサイト(支援施策について)」
- お住まいの市区町村の、ひとり親家庭の担当窓口
手当の金額や所得制限は見直されることがあります。また、自治体が独自に行っている制度もあります。申請の前に、お住まいの自治体の窓口で最新の内容をご確認ください。

