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自閉症・知的障害の子とのお出かけが疲れる|入らずに帰る勇気

自閉症・知的障害の子とのお出かけが大変で疲れる|少し楽になった工夫3つ【体験談】 日常のこと
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準備万端で家を出ても、現地に着いた瞬間に計画が崩れる。ぽんたとのお出かけは、その繰り返しでした。

歯科衛生士をしながら、重度知的障害・自閉症の息子ぽんたをシングルマザーで育てているハルです。

いまは、お出かけを成功させる工夫を増やすのをやめて、うまくいかない日の帰り方だけ先に決めています。そうしたら、出かけられる日が増えました。

完璧な解決策ではないけれど、同じような状況にある方に、わかると思ってもらえたら嬉しいです。

準備をしても、現地で崩れる

読者さん
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お出かけのたびに、子どもも親もぐったり…。うちだけ?

ハル
ハル

うちも、計画どおりにいった日のほうが少ないです

大型テーマパークに行く日を前から伝えていて、本人も楽しみにしている様子でした。それでも当日、入り口の前でぽんたは動かなくなりました。

理由はわかりません。人の多さか、音か、においか。帰りたいと何度も言い、無理だというサインが体全体から出ていて、それ以上進めませんでした。

外出先でのぽんたの行動は、そもそも予測がつきません。お気に入りのものに出会うと、周りが見えないほど興奮してしまう。急に走り出す。靴を脱いで投げる。気持ちが高ぶると、止めるのが難しくなります。

公園くらいなら大丈夫だろうと思っていたのに、遊びたいところに知らない子がいるだけでうまく遊べなかったこともあります。ちょっと公園でも行くか、のようなふつうのお出かけのハードルが、一般的なそれとはまったく違います。

そのうえで、ぽんたへの対応で頭と体をフル回転させながら、荷物を持ち、支払いをして、周囲に頭を下げる。それをすべてひとりでこなすのが、シングルマザーのお出かけです。

こういうとき大人がもう一人いればな、と思う瞬間があります。パートナーがいれば全て解決するとは思っていないけれど、それでも手がもう一本あるだけで全然違うだろうな、と。そう思うくらい、お出かけはエネルギーを使います。

では、準備を増やせば防げるのか。そうでもありませんでした。

せっかく来たのに、で入場した日のこと

以前、遠くまで足を運んで、大きなレジャー施設に行った日があります。

ぽんたは入り口の時点で、明らかに嫌がっていました。それでもわたしは、せっかくここまで来たのだからと考えて、そのまま入場してしまいました。

結果は、中で大暴れ。乗り物には何ひとつ乗れず、周りの方にも迷惑をかけて、そのまま帰ることになりました。

入らなければよかった。あそこで諦めたほうがよかった。帰り道で、ずっとそう思っていました。

この日から、考え方が変わりました。お出かけがうまくいくかどうかは、準備の量では決まらない。決まるのは、無理だと分かったときに引き返せるかどうかです。

だからいまは、出かける前に楽しく遊ぶイメージを持つのをやめました。

目標は、行って帰ってくること。それだけ。目的地で何もできなくても、何も見られなくても、外の空気を吸って帰れたなら十分。そう決めてから、出かけることへの気持ちが少し軽くなりました。

引き返すと決めている、4つの場面

うまくいかない日に迷わないよう、あらかじめ決めていることが4つあります。

① 帰りたいサインが出たら、粘らない

サインは子どもによって違うと思いますが、ぽんたの場合は、だんだん分かりやすくなってきました。

小さいころは、ただ嫌がるだけでした。何が嫌なのかも、どのくらい嫌なのかも読み取れなくて、こちらもどうしていいか分かりませんでした。

言葉が増えてからは、はっきり伝えてくれます。「おうち帰る」が始まったら、それがサインです。着いてからの興味の示し方でも分かります。目当てのものを見ようとしない、体が入り口のほうを向いたまま動かない。そういう日は、この先も楽しめないことがほとんどです。

以前は、もう少しだけ、と粘っていました。いまは、サインが出たらそこで終わりにしています。

② 滞在時間は、1時間いられたら上出来と考える

最初から、短時間で切り上げる前提で計画を立てます。

うちの目安は1時間です。1時間いられたら、その日は上出来。楽しそうにしていても、そこで切り上げることがあります。もう少しいけそう、と欲を出した日ほど、最後に崩れて終わるからです。

帰りぎわの記憶が悪いと、次のお出かけに響きます。良いところで終わらせるのは、次のためでもあります。

③ 車で行ける場所しか選ばない

電車やバスは、いまは避けています。

大暴れしてしまったときに、公共の場だと本当に大変だからです。すぐに降りることも、その場を離れることもできません。

車なら、帰りたいサインが出た瞬間に撤収できます。荷物も着替えも車に置いておけます。行き先を選ぶときは、面白そうかどうかより先に、すぐ帰れるかどうかを見ています。

④ 玄関を出られない日は、その時点でやめる

準備をして玄関を出て、そこから動けず引き返した日もありました。そういう日は、行かないことにしています。外に出ることより、その日を無事に終えることのほうが大事だからです。

引き返した日、家に帰ってから

以前は、せっかく行ったのにと、感情的に怒ってしまったこともあります。

いまは、あれは自分よがりだったな、と思います。

良かれと思って、いろんな経験をさせたくて連れて行きました。でもぽんたは、そもそも行きたくなかった。わたしが見せたかった景色と、ぽんたが見たかったものは、たぶん違っていました。

悲しくないと言えば嘘になります。わたしとぽんたは、生きている世界が少し違うのかもしれない。引き返した日には、そう実感します。

それでも、そう納得するようになってから、帰り道が静かになりました。ぽんたを責めることも、自分を責めることもなくなって、今日は行かない日だった、で終われるようになりました。

引き返した日を失敗にしない。気持ちの持ちようの話に聞こえるかもしれませんが、次にまた出かけられるかどうかは、ここで決まっている気がします。

失敗の痛手を、あらかじめ小さくしておく

引き返すと決めていても、行ってダメだった日はやっぱりこたえます。時間もお金も使っているからです。

だからその痛手のほうを、先に小さくしておくようにしています。

役に立っているのが、療育手帳の割引です。施設の利用料や駐車場代が減るだけで、今日はうまくいかなかったな、まあいいか、と思える。失敗したときの損が小さいと、また行ってみようと思えます。

お出かけのハードルは、気合いより先に、こういうところで下がりました。

療育手帳で使える割引については、こちらにまとめています。

療育手帳があると使える手当・割引まとめ【知らないと損する制度一覧】
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撤退しやすくする持ち物

バッグに入れているものは、楽しむための道具というより、引き返すまでを持ちこたえるための道具です。

ふつうなら念のためで済む着替えが、ぽんたとのお出かけでは確実に必要になります。汚れ、汗、飲み物のこぼし。外出中に何が起きるかわからないので、今は出かけるたびに準備するのではなく、上下・下着・靴下をジップロックにまとめてバッグに入れっぱなしにしています。

もし外出先で何かあっても対応できるという安心感があるだけで、トラブルが起きた時の気持ちの余裕が違います。

ぽんたの着替えが必要になる場面は、たいてい排泄がらみです。トイレトレーニングの記事もあります。

重度知的障害・自閉症の子のトイレトレーニング【小学生になってもまだ途中のわが家】
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ほかにバッグに入れているのは、この4つです。

  • お気に入りの人形:ぽんたのお守りのような存在です
  • ハンディ扇風機:暑い季節の必需品です(冬でも持って行きます)
  • おやつ:出先でも食べ慣れたものがあると安心です
  • GPS:急に走り出すことがあるので、迷子対策に欠かせません

GPSは2種類使って比較したことがあるので、選び方はこちらの記事にまとめています。

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バッグに入れるおむつも、サイズが上がるとかさばります。ベビー用の最大サイズが入らなくなってからどう選んでいるかは、こちらにまとめました。

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それでも、行けた日を増やすためにしていること

撤退の話ばかりしましたが、行けた日を増やすためにしていることもあります。

行き先が決まったら、前日か当日の朝にGoogleマップの写真を一緒に見るようにしています。ここ行く?と聞くと「いく!」と元気よく答えてくれます。

ただ、写真で見るのと実際に行くのとでは、やっぱり違います。人が多すぎたり想定外のことがあると、そこから先はずっと帰りたがります。

それでもこのひと手間を挟むと、何もしないときよりパニックになる回数が減りました。完全に防げるわけではないけれど、視覚優位のぽんたには少しだけ心構えができるみたいです。

あとは、空いている平日や早朝を狙うこと。行き慣れた場所をローテーションすること。ぽんたの好きな外食のお店も、定番の行き先です。

どれも攻略法というより、うまくいかなかった日の積み重ねでできた基準です。

体が大きくなってからの、周囲の目

ぽんたにはヘルプマークをつけています。何かあったときに、周囲の理解につながる安心材料になっています。

周りの視線にも変化を感じます。ぽんたが小さいころは泣いていても微笑ましく見てくれる人が多かったですが、体が大きくなるにつれて驚いている人が多く、親としては心をすり減らされます。

それでも振り返ってみると、出先で出会う人はだいたい優しいです。しんどさが消えるわけではないけれど、世の中は思っていたより優しいと感じられる日のほうが多いです。

この大変さは、ずっと同じではありません

出かけるたびに疲れきっていたころは、この先ずっとこのままなのだろうかと思っていました。

でも実際には、少しずつ変わってきています。以前は無理だった順番待ちが、短い時間ならできるようになりました。初めての場所で固まってしまう時間も、以前より短くなってきています。

劇的に楽になったわけではありません。それでも、去年はできなかったことが今はできている。その積み重ねは、たしかにあります。

外でのハードルが高いことは、他にもあります。ぽんたは美容院に行ったことがなくて、髪はずっとお風呂場で切っています。

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まとめ

今もお出かけは、簡単ではありません。

変わったのは、行けるかどうかで一喜一憂しなくなったことです。帰り方を先に決めておくと、出かけること自体が怖くなくなりました。

楽しいお出かけをするというより、一緒に外の世界を歩いていくという感覚でいるほうが、わたしとぽんたにはしっくりきています。

生きている世界が少し違っても、隣は歩ける。いまはそう思っています。

同じように試行錯誤している方の、何かヒントになれば嬉しいです。

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歯科衛生士のシングルマザー「ハル」です。重度知的障害・自閉症の息子ぽんたを育てながら日々奮闘中。福祉制度や療育のこと、障害児育児のリアルをお届けします。

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