うがいができない子に歯磨き粉を使っていいのか、迷っていませんか。飲み込んでしまうのが心配で、水だけで磨いているご家庭も多いと思います。
結論からお伝えすると、うがいができなくてもフッ素入り歯磨き粉は使えます。量さえ守れば、磨いたあとは吐き出すか拭き取るだけで大丈夫です。
わたしは歯科衛生士で、重度知的障害・自閉症の息子ぽんたを育てています。ぽんたも小さい頃はうがいができませんでした。だから磨いたあとは、ずっと拭き取りで済ませてきました。
この記事を読めば、フッ素をあきらめなくていい理由と、わが家で続けてきたやり方がわかります。
うがいができなくても、フッ素入り歯磨き粉は使えます
2023年に日本小児歯科学会など4つの学会が合同で、フッ素入り歯磨き粉の使い方の目安を発表しました。ポイントは、うがいを前提にしていないことです。年齢ごとの量は、飲み込んでしまっても問題が起きにくいように決められています。
| 年齢 | フッ素濃度 | 1回の量 |
|---|---|---|
| 歯が生えてから2歳 | 1000ppm | 米粒程度(1〜2mm) |
| 3〜5歳 | 1000ppm | グリーンピース程度(5mm) |
| 6歳〜大人 | 1500ppm | 歯ブラシ全体(1.5〜2cm) |
磨いたあとは吐き出すだけでOK。吐き出すのも難しい子は、ティッシュやガーゼで軽く拭き取る方法が認められています。むしろ水で何度もゆすぐとフッ素が流れてしまうので、うがいをしないことはデメリットばかりではありません。
出典:日本小児歯科学会「フッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法について」
わが家のやり方
ぽんたは小さい頃、うがいがまったくできませんでした。それでも歯磨き粉はやめず、磨いたあとに拭き取る形でずっと続けてきました。
今は支援学校に通いだしてから、ガラガラうがいができるようになりました。ぐちゅぐちゅぺーのほうは、あまり上手ではありません。それでも困らなかったのは、拭き取りと少量のフッ素で十分だと仕事で知っていたからです。

拭き取りって、嫌がりませんか?

ぽんたは嫌がりませんでした。歯磨きの時点でしっかり嫌がっていたので、拭き取りで新たに嫌がることはなかったです
歯磨き粉は以前はチェックアップを使っていました。刺激が少なくやさしい歯磨き粉ですが、着色汚れが落ちにくい点が気になってきて、今はわたしと同じブリリアントモアを親子で使っています。大人向けの味なので、ぽんたはとても不味そうな顔をします。だから量はほんの少しだけ。磨いたあとは、うがいをせずそのままです。フッ素を口に残すという意味では、これで正解です。
うがいの練習は焦らなくて大丈夫
うがいは実は難しい動作です。口に水をためる、ぶくぶく動かす、吐き出す、と段階があって、順番に少しずつできるようになります。発達がゆっくりな子は、この順番のどこかで止まっていることが多いです。練習するなら、お風呂で吐き出す遊びからで十分です。
わたし自身は、うがいの練習を気にしたことがありませんでした。できなくても拭き取りで足りると知っていたからです。ぽんたのガラガラうがいも、練習させたのではなく、支援学校の生活の中でいつの間にかできるようになっていました。
歯磨き粉選びのポイント3つ
- ジェルタイプや低発泡のものを選ぶ:泡立たないので磨いている場所が見えます。飲み込む量も少なくすみます
- 刺激の少ないものを選ぶ:感覚過敏の子でも受け入れやすいです
- 味は子どもの様子を見て:嫌がる味だと歯磨きそのものが嫌いになります。わが家のように少量にする手もあります
わが家で使ってきたのは次の2つです。
歯磨き粉を選ぶときは、年齢に合ったフッ素濃度のものを選んでください。上の表の目安が参考になります。
まとめ
- うがいができなくてもフッ素入り歯磨き粉は使える(量を守れば飲み込みが心配な子も大丈夫)
- 磨いたあとは吐き出すか拭き取りでOK。ゆすがない方がフッ素は残る
- うがいの練習は焦らなくていい
最後にひとつだけ。わたしは歯科衛生士として拭き取りのケアが当たり前だったので、うがいができないことで悩んでいるお母さんがいると、この記事を書くまで知りませんでした。それくらい、うがいができないことは歯磨きの世界では大きな問題ではないということです。どうか心配しすぎないでくださいね。
歯磨きそのものを嫌がるお子さんには、こちらの記事もどうぞ。

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