支援学校と支援学級、どっちに入れればいいんだろう。
就学を前にしたとき、この問いがずっと頭から離れませんでした。
実はこの記事、わたしがブログを始めたいちばんの理由です。
正解がわからないまま、ネットで調べて、見学に行って、それでも答えが出なくて。あのころのしんどさは、今でも鮮明に覚えています。だから、同じように悩んでいる方に届いてほしくて、この記事を書いています。
支援学級と特別支援学校、両方に見学に行って気づいたこと。見学で感じた戸惑い。それでも特別支援学校を選んだ理由。全部、包み隠さず書きます。
特別支援学校と特別支援学級、何が違うの?
まずざっくりとした違いをまとめます。
特別支援学校
障害のある子どものための専門の学校です。先生の数が多く、少人数クラスで一人ひとりに手厚い支援が受けられます。スクールバスの送迎があることが多く、放課後デイサービスとの連携もスムーズです。
特別支援学級(いわゆる「支援級」)
地域の小学校の中にある少人数の特別なクラスです。通常学級の子どもたちと給食や行事をともにする交流学習があるのが特徴で、地域のお友だちと関わる機会があります。
表にするとこんな違いがあります(人数などは一般的な目安です)。
| 特別支援学校 | 特別支援学級 | |
|---|---|---|
| 場所 | 障害のある子のための専門の学校 | 地域の小学校の中の少人数クラス |
| クラス | 1クラス6人程度が目安で先生の数が多い | 上限8人で担任1人が基本 |
| 学ぶ内容 | 生活面の自立も含めて子どもに合わせた内容 | 学年の勉強をベースに個別配慮 |
| まわりの子 | 障害のある子ども同士 | 通常学級の子との交流学習あり |
| 通学 | スクールバスがあることが多い | 自宅から地域の学校へ |
どちらが合っているかは、子どもによって違う
支援学校は重い子、支援学級は軽い子、とざっくり言われることもありますが、実際はそう単純ではありません。大切なのはその子がどんな環境で力を伸ばせるかだと思います。わたしは両方を見学して、初めてその違いが実感としてわかりました。
地域の小学校(支援学級)を見学してみた
まず最初に、地域の小学校の支援学級を見学しました。校長先生と支援学級の先生が時間を作ってくれて、いろいろ話を聞かせてもらいました。
「オムツはどうなりますか?」と聞いたら、キョトンとされた
当時、ぽんたはまだオムツでした。トイレはどうなりますかと聞いたら、先生たちがきょとんとした顔をして、「トイレができていない子はいないので」と言われました。
悪意はまったくない、ごく自然な反応だったはずです。でもその瞬間、支援学級はぽんたがいる世界とは少し違うんだと、体でわかった気がしました。
支援学級の環境は、すごく手厚かった
教室を見たときはここならぽんたもいけるかも、と感じました。個々の能力に合わせて教材を変えていたり、個室が必要な子のためにパーテーションでスペースを区切っていたり。先生たちの工夫がすごく伝わってきました。
でも、子どもたちの「社会」のことを考えたとき
先生の環境がいくら整っていても、気になったことがありました。子どもたちの社会の中で、ぽんたは生きていけないと感じたんです。1、2年生のうちはまだギリギリ大丈夫かもしれない。でも3年生くらいになると、子どもたちの間にグループができて、社会ができあがっていきます。ぽんたが絶対そこには入れないと思いました。
それが、地域の小学校を選ばなかったいちばんの理由でした。
ぽんたが傷つく場面が、頭に浮かんでしまいました。そして同時に、ぽんたが周りの子に迷惑をかけてしまうことも、きっと多いだろうと思いました。親としてそれを認めることは辛かったけれど、それもわたしの本当の気持ちでした。
特別支援学校を見学してみた
最初は、戸惑いました
見学したとき、最初に感じたのは、保育園みたいという印象でした。絵本が教材だったり、一部の子が床に寝転がっていたり。普通の小学校より生徒の人数がずっと少なくて、なんだか寂しく感じました。こんな感じで本当に学習できるんだろうか、と不安になりました。(奇声をあげて走る子を先生が追いかける場面もあって、少し衝撃的でした)
わたし自身、普通の小学校で勉強がわりとできるほうだったので、自分の小学校時代のイメージとのギャップが大きかったんだと思います。
よく見たら、子どもたちはちゃんとしていた
よく観察してみると、子どもたちはほとんど椅子に座って先生の話を聞いていました。保育園みたいと感じたのは、環境の見た目のことで、中身はちゃんと学習の場でした。今思えば、素直に受け取れなかったのは、普通の小学校とはまったく違う世界を前に、わたしがうまく受け入れられていなかったからだと思います。
入学後のことは、こちらの記事に詳しく書いています。

見学でわたしが見ていた3つの視点
ふたつの見学を振り返ると、わたしが見ていたのは結局この3つでした。これから見学に行く方は、チェックリスト代わりに使ってください。
- 子どもたちの社会に、わが子が入っていけそうか:先生の手厚さよりも、同じ教室の子どもたちの中で過ごすわが子を想像できるかどうか。わたしはここで答えが出ました
- 生活面の支援がどこまであるか:トイレ・着替え・食事など、勉強以前の部分をどう支えてもらえるか。オムツの質問への反応で、その場所の前提がわかります
- 先生と子どもたちの実際の様子:見た目の第一印象で判断せず、子どもたちが落ち着いて過ごせているかをしばらく観察する
見学の申し込みから就学先決定までの流れは、こちらにまとめています。

それでも特別支援学校を選んだ理由
両方見学して、特別支援学校を選びました。いちばん大きかったのは子どもたちの社会の中でぽんたが生きていけるか、という視点でした。支援学級の環境はよかった。でもぽんたには、手厚く、ぽんたのペースで関わってもらえる場所が必要でした。
専門家でも、意見が割れていた
実はこの決断、専門家に相談しても答えが出なかったんです。ある人は「地域の学校に行った方がぽんたくんの能力が底上げされる」と言いました。またある人は「ぽんたくんの個性を伸ばすには特別支援学校の方がいい」と言いました。
専門家でも、意見が割れる。そのことが、逆にいちばん怖かったです。正解を教えてもらえると思っていたのに、誰も教えてくれない。わたしの決断でぽんたの人生が大きく変わってしまうかもしれない。そう思ったら、押しつぶされそうになりました。
でも今になって思うのは、専門家でも意見が割れるということは、どちらもありな選択だということだと思います。正解は一つじゃない。だから、自分が見て、感じて、考えて決めるしかないんです。
就学先って、途中で変えられるの?
見学しながらずっと気になっていたのが、一度決めたら変えられないのか、ということでした。
わたしが相談した範囲では、一度決めると途中で変えるのは難しいと言われました。地域の小学校から特別支援学校へ、また特別支援学校から地域の小学校へ、どちらの方向も簡単には認められないことが多いようです。
自治体によって対応が異なる可能性はあるので、気になる方はお住まいの教育委員会に確認してみてください。ただ、簡単には変えられないと思って最初の選択に向き合った方がいいと思います。

まとめ:悩んでいるあなたへ
特別支援学校を選ぶことは、決してあきらめじゃないと思っています。
わたしも最初は普通の小学校に行かせてあげられないという気持ちがどこかにありました。でも今は、特別支援学校を選んだことが、ぽんたへの最大のプレゼントだったと思っています。
逆に、身のまわりのことがある程度できていて、まわりの子との関わりが刺激になるタイプの子なら、支援学級の交流学習は大きな魅力だと思います。支援学級を選ぼうとしているあなたも、なにかをあきらめているわけではありません。
悩んで決めた選択は、きっとまちがいじゃない。もし今、どっちにすればいいか迷っているなら、どうか自分を責めないでください。そして、特別支援学校を選ぶことに迷っているなら、この記事が少しでも背中を押せたら嬉しいです。
就学先を考えるなかで学習面が気になったら、家庭学習についてのわが家の話もどうぞ。


